内科・呼吸器内科・小児科・アレルギー科・睡眠時無呼吸治療・睡眠時ポリグラフ(PSG)検査完備
診療時間 | 午前 9:00~12:00 午後 4:00~7:00 |
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休診日 | 水・土曜午後、日曜、祝日 |
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こんな症状で困られていませんか?上記のような咳が続く方は「せき喘息」かも知れません。「せき喘息」はあまり知られていない病気ですが、近年確実に増加している病気です。
わが国の慢性の咳の30%以上がこのせき喘息によると報告されています。喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)や呼吸困難発作が無いことで喘息とは区別されますが、簡単に言えば、喘息の前段階あるいは軽症型として位置づけることができます。実際、喘鳴を起こす典型的な喘息と比べても、気道の炎症の程度、気道過敏性などの病態を示す様々な指標が軽症の喘息といえる範囲にあり、アレルギーの関与の程度も同程度です。
せき喘息の患者さんは、喘鳴がないために自分が喘息であるとは思いもよらず、咳止めだけを処方されて飲み続けるが効果がないといったことをよく経験します。せき喘息の咳には通常の咳止めは効かず、β2刺激薬が有効であり、このことが診断をつける上で重要とされています。
せき喘息の診断には、問診が非常に大切です。咳が出るようになったきっかけや時期、咳や痰の状態、起こりやすい時間帯などは当たり前のことですが、アレルギーに関する既往歴や家族歴も重要な診断材料です。
一応、せき喘息の診断基準は以下の7項目になります。
「一応」と書かして頂いたのは、1や3のように8週間も咳を放置しておく患者さまはいらっしゃらないからです。早い方では1週間の咳で来院される方もおられます。また、2に関しては、小児喘息にかかっていたが完治した成人の方も沢山いらっしゃるからです。さらに,4や6も即座に調べようがありません。
ですから、せき喘息の診断は非常に難しいのです。当クリニックでは、聴診で肺雑音が聞き取れなくても、7の胸部レントゲンは確認するようにしています。また、5の確認のために、最初の投薬は7日分程度としています。結局は、問診が非常に重要な診断材料となるのです。
市販薬や処方薬のかぜ薬や抗生物質、咳止めなどを用いても、せき喘息の場合はほとんど効果がありません。基本的には、症状の所で書いた①気道が狭まって、②刺激に過敏になって、③炎症を起こしている状態を改善する治療が必要です。
従って、①に対しては気管支拡張薬、②に対してはロイコトリエン受容体拮抗薬(抗アレルギー薬)、③に対しては吸入ステロイド薬を使います。吸入ステロイド薬は、少量でも気道に直接作用して、優れた抗炎症作用を発揮します。全身的な副作用も非常に少なく、安心して長期間使用することが出来ます。
治療を開始して1~2週間で咳は劇的に改善するはずです。(改善しない場合は、他の原因を考える必要があります。)症状が良くなったからといって、治療を中断すると再発することがあるので、数ヶ月間は根気よく治療を続ける必要があります。ただし、その間に症状の改善と共に、薬の種類や量は減らしていき、最低必要量を見つけることが大切です。
せき喘息の患者さまの約30%が気管支喘息に移行するといわれています。気管支喘息への移行を食い止めるためにもできるだけ早い段階で薬を使って、気道の炎症を抑える必要があります。特に吸入ステロイド薬の使用は「咳症状の治療」とともに「喘息への移行を予防する」効果が期待できます。
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